うにょのブログ

心理、性、茶道、進化など

進化論的な友達作り

 

最高の体調 ~進化医学のアプローチで、過去最高のコンディションを実現する方法~ (ACTIVE HEALTH 001)

最高の体調 ~進化医学のアプローチで、過去最高のコンディションを実現する方法~ (ACTIVE HEALTH 001)

 

 

 激ヤバな本を読んだ。今まで読んだ本の中でトップレベルに使える本。著者はパレオな男というブログを運営しているサイエンスライターの方。本書は読んで損はない。というか得しかない。あなたが現代の人間であれば、必ず役立つ本である。ホント、読んでほしい。

 いろいろなことについて書いてあるんですけど、健康にも幸福にも影響を与える人間関係の部分について取り上げようと思います。

 

 ヒトの認知リソースは大勢の友人をさばくようにはできていないため、1回につき5人前後としか親密な人間関係を築けない、というわけです。(p.131)

 これは、なかなか内向的な人間にとって喜ばしい情報です。

 また、親密な人間関係を築くためには、進化とのミスマッチという観点からみると、「時間」「同期」「互恵」の3つだけを意識すれば良いみたい(p.132)。1つ目は、一緒に過ごす時間の長さが大切ということ。2つ目は、近くで同じ行動をするということ。3つ目は、信頼というプレゼントを他者に与えるということ。

 この考えはめちゃくちゃ役立つ。仲を深めるために小手先よりもまず一緒に過ごす時間を増やすことを意識すれば良いし、そのときの活動としてゲームとか散歩とか一緒に近くでできることを選べばいいし、全体を通して「こいつは絶対に自分を裏切らない」と思わせれば良い。

 1回に5人前後の人としか親密な人間関係を築けないなら、いか現在における相手のその5人の中に入るかが大切である。僕の勝手な考えだけど、友だちが多い人と付き合うときって自分より他の友達を優先する可能性がちらつくんよね。そのときの不安って進化的な不安だったのかもしれないなあって思った。でも、まずは自分から相手を現在における自分の中の友達ランキングの上位に位置付ける必要があるよなあ。

妄想代理人と体験の回避

 

 

 『妄想代理人』というアニメがあります。『パーフェクトブルー』や『パプリカ』などを手掛けた今敏監督の作品です。妄想代理人を以前に視聴したことがあるのですが、なんだか気味の悪い作品だと思いつつも、僕にとってその気味の悪さが好みでした。

  それから長い年月が経ち、ふとしたときに、以下のツイートを拝見しました。

  武藤さんはアクセプタンス&コミットメント・セラピー(ACT)の日本の研究者です。そのACTのキーとなる概念である「体験の回避」が『妄想代理人』で疑似体験的に理解できるようです。ACTでは、メタファーをよく用いるため、このような形で理解するのは非常に相性がよいのではないでしょうか。

 

 このツイートを拝見した後、妄想代理人についての記憶が曖昧であったため、考察サイトや今敏監督のサイトを拝見して、武藤さんがおっしゃっていることが僕の範囲で理解できました。以下のサイトがわかりやすいです。

アニメ感想「妄想代理人」を見て思うこと。見る価値あったが結構へこむ。

「妄想代理人」とは一体なんだったのか | ☆

妄想の一「趣味の産物」-その1- - KON'S TONE

 

 妄想代理人では、少年バットという通り魔が次々に人を襲っていく。しかし、実は、その少年バットは、甘えを正当化するための妄想の産物なのである。少年バットに襲われたから自分はこうなってしまって、自分は被害者なんだという感じに。短期的にはそれでメリットがあるのだろうけど、長期的に少年バットという存在に逃げていると手が負えなくなってしまう。この辺も、体験の回避のメタファーになっている。

 『妄想代理人』のOPを聴くたびに、「言い訳しないで逃げずに立ち向かえよ」「自分の責任を引き受けろよ」って感じに言われている気がして、しんどいんだけど、大切なメッセージを受け取っているような気がして元気づけられる。

学習の方略を考える

 いま僕は試験のために勉強しているわけですが、結構焦っており、もっと早くからやっていればよかったと嘆いています。しかし人生においてよくあることなので、この後悔を今後に活かせるようにして、これからどう効率的に勉強するかのほうを考えていきたいです。そこで参考になるのが以下の本。

使える脳の鍛え方 成功する学習の科学

使える脳の鍛え方 成功する学習の科学

 

 

 この本は、数か月前に読んだのですが、もっと早く出会いたかったと強く思った本です。テキストを何回も読み込むのは意味ないよ!とか、集中的に学習するのは効果が薄いよ!とか主張されています。また、科学的な勉強スタイルが書かれており、学習者必読であると思います。

 手っ取り早くそのスタイルを表現するなら、本文中に載っている医学生マイケル・ヤングの勉強法が参考になります。ヤングの勉強法は以下のとおりです。

重要性を判断する・・・時間を有効活用するため

自分でクイズをする・・・想起することにより記憶に定着するため。また、自分が何が分からないかが分かるため。(テスト効果)

適切な間隔をあける・・・学習を分散させることにより、知識が抜け落ちないようにする(分散学習)

意味を理解するためにスピードを落とす・・・意味を理解することにより情報を深く処理するため

 

 現在、僕は、学習のツールとしてAnkiというフラッシュカードのアプリを主に使っています。このアプリのおかげでテスト効果と分散学習はクリアできています。現在、ノートをほとんど使ってないのですが、内容の深い処理をするために、ノートを副次的に活用するかなあ。というか、今までノートに書き写すだけの勉強をしてきたのですが、なんと無駄をしたことか。授業で勉強したことは、ファインマン効果のように、分かったつもりになっていて、ほとんど身についていないと思います。Ankiももっと早く使っていればな~と思った。でも、今の時代に生まれてなかったら使えてなかったと考えると、恐ろしくもありありがたくもあります。

 

 個人的には、重要性の判断>テスト効果=分散学習≧深い処理 という優先度で、今後、勉強していきたいと思います。その際、知識の整理をするためだけにノートを使う感じで。

自分らしくあるための3ステップ

 

Authentic: How to be yourself and why it matters (English Edition)

Authentic: How to be yourself and why it matters (English Edition)

 

 

 『Authentic : How to be yourself and why it matters』をちまちま読んでいて、やっとあらかた読み終わりました。著者は、ステファン・ジョセフというポジティブ心理学者。本書は、ポジティブ心理学の概念であるAuthenticity(本来性)について、概観した本になっております。Authenticityは、大まかにいうと、”自分らしさ”を意味しています。前回このブログで取り上げた以下の記事に関連しています。

 

Authenticityへの3ステップ

 途中で、Authentic lifeの公式が出てきます。それは、以下のとおりです。

Know yourself(自分を知る)+Own yourself(自分を持つ)+Be yourself(自分でいる)= the Authentic Life(本来的な人生)

つまり、3ステップあって、1つ目が自分を知ること、2つ目が自分を持つこと(認めること)、3つが自分でいることです。

各ステップのエクササイズ

 本書では、Authenticityに関する重要性やその研究を概観したあと、3ステップのエクササイズがついています。1つのステップにつき、10のエクササイズがついているので、合計30のエクササイズになるのですが、その中から簡単にいくつか紹介します。

・自分の最も尊敬している人々のことを考える  

 これらは必ずしもあなたが最も好きな人であるとか、友だちである人である必要はなく、あなたが最も尊敬する人々です。彼らはあなたが知っている人々や、世間の関心の中にいる人々、歴史上の人々かもしれません。あなたが尊敬する人を3人考えるのに5分取ってください。これができたら、これらの人々に関して、あなたが最も尊敬しているのは何なのかリストアップしてください。

 このエクササイズは、あなたが自分の中により見出したい特性のいくつかに対する洞察をあなたに与えます。

・わずかな真実を探す

 誰かに批判されたと次に感じたとき、たとえどんなに小さくても、この中に真実が含まれているかどうかを自分に尋ねてください。その真実が何であるかを学んでください。そしたら、その残りの批判を捨ててください。

 私たちは定期的にチャレンジングで、自分自身に関して学ぶ機会を与えてくれる機会に直面する。しかし、私たちは、そのような機会をよく横通りする。たとえば、新しい恋人について忠告をくれる親密な友人。その中に何か真実があるかを考える代わりに、私たちはその友人に敵対する。(略)彼らが言っていることの中にわずかな真実でもあるかどうかを立ち止まって考えることはどのくらいよいのだろうか? よく真実は存在し、批判を投げ出してしまう前に、それは探す価値がある。

セクシュアルマイノリティ女性におけるソーシャルサポートと自殺リスクの関係性

Tabaac, A. R., Perrin, P. B., & Rabinovitch, A. E. (2016). The relationship between social support and suicide risk in a national sample of ethnically diverse sexual minority women. Journal of Gay & Lesbian Mental Health, 20, 116-126.

 セクシュアルマイノリティ女性(Sexual Minority Women:SMW)は、ヘテロセクシュアル女性より3倍以上自殺念慮を報告し、2倍傾向が自殺を企図する傾向ある。SMWは、異性愛主義と性差別主義のような出来事を経験するから、セクシュアルマイノリティ男性とは異なるみたい。LGBの人々にとって、ソーシャルサポートが精神的な健康にいいよ! ということが質的・量的研究によってわかっている。

 この研究の目的は、民族的に多様なSMWのサンプルにおいて、3種類のソーシャルサポートと自殺念慮、自殺企図の関係性について調べることだった。3種類というのは、家族からのソーシャルサポート、友人からのソーシャルサポート、重要な他者からのソーシャルサポートの3つ。レズビアンバイセクシュアル・クィア・その他のヘテロセクシュアルではないシスジェンダーの女性がオンライン調査で18歳から66歳までの150人集まった(M=31.9)。ソーシャルサポート、自殺念慮、自殺企図に関するアンケートに答えてもらった。

 少なくとも過去に1回、参加者の72%が自殺念慮を抱いたことがあり、23.3%が自殺企図に至ったと報告した。データを統計的に分析した結果、社会経済的地位を統制すると、ソーシャルサポートは、過去の自殺念慮のばらつきの12.3%を説明し、自殺企図のばらつきの10.7%を説明した。また、この分析において、過去の自殺念慮と家族と重要な他者からのソーシャルサポートは独自に逆に関係しており、自殺企図と家族からのショーシャルサポートは独自に逆に関係していた。つまり、家族からのソーシャルサポートは大切だよ! ってことですかね。相関においては、年齢や教育水準よりも社会経済的地位がほかのものと関係しているようです。

 僕的にはソーシャルサポートは家族からだけでなく全般的に大切だなあと思うところです。僕に関していうと、セクマイの友人に自分のことを開示してから、なんだか自分のことをより受容できるようになりました。ソーシャルサポートといっても、道具的とか情緒的とか色々種類がありますので、さまざまな点から大切なのだと思います。

『レジリエンス 人生の危機を乗り越えるための科学と10の処方箋』

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レジリエンス:人生の危機を乗り越えるための科学と10の処方箋

レジリエンス:人生の危機を乗り越えるための科学と10の処方箋

 

レジリエンスとは

 非常によい本を読みました。タイトルにもあるレジリエンス(resilience)の定義に関して、アメリカ心理学会の定義を引用し、以下のように説明しています。

 レジリエンスとは、「逆境、トラウマ、悲劇、脅威、極度のストレス(家族関係の問題、健康問題、職場や経済的な問題)に直面する中で適応していくプロセス」を意味する。(p.26)

 本書では、レジリエンスを高める方法について、逆境を経験したが乗り越えた人たち(レジリエントな人たち)の経験談を交えながら、その人たちが共通して行っていることを、科学的なエビデンスに基づきながら説明しています。本書では、タイトルにもあるように、レジリエンスを高める方法として特に10の方法を抽出しています。

レジリエンスを高める10の方法

その10の方法に該当する部分について、目次から以下に引用してみます。

①楽観主義であること――現実を見つめ、明るい未来を信じる

②恐怖と向き合う――その生物学的背景と対処法、活用法

③道徳指針をもつ――正義を実践する

④信仰とスピリチュアリティ――罪悪感、赦し、回復

⑤社会的サポートを求める――相互に依存すること

ロールモデルを手本に行動する

⑦トレーニング――健康を保ち身体を鍛える

⑧脳の健康増進――知力と感情調整力を鍛える

⑨認知と感情を柔軟にする

⑩意味、目的を知る

 細かく見ていくと、参考になる話がたくさんでてきますね。たとえば、楽観主義に関しては、非現実的楽観主義ではなく、現実的楽観主義を目指したほうが良く、さらに楽観主義はトレーニングによってある程度、後天的に学習が可能であるとかです。

 耳が痛かったのが、社会的サポートですね(^-^;)社会的サポートは、受け取るだけでなく与えることによっても自身の健康によい影響をもたらすようです*1。さらに、著者らがインタビューを行ったレジリエントな人たちは、社会的サポートをお互いに与え合う関係を作る努力をしているようなのです。僕も意識的に作っていきたいなあと思いました。

 モデリング(観察して真似ること)に関しては、相変わらず有用だなあと思います。レジリエンスを高める方法としてのモデリングは、レジリエントな人をロールモデルとします。最低限モデリングを意識すれば、そこから上記以外のさまざまなレジリエンスを高める方法を発見できるかもしれません。